SpaceXの巨大ロケット「スターシップ」の爆発を見る

SpaceXの巨大ロケット「スターシップ」の爆発を見る

SpaceXの巨大ロケット「スターシップ」が本日早朝爆発した。スターシップ本体の下に初めてスーパーヘビーブースターが使用され、南テキサスの発射台から打ち上げられて数分後に機体全体が故障した。

ロケットの基部から放射状の光と茶色の煙が上がり、歓声が続き、打ち上げの始まりを告げた。燃え盛る排気ガスが二層ロケットを大気圏のさらに上へと押し上げ、すべてが計画通りに進んでいるように見えた。観衆と解説者は銀色のロケットと白いブースターが計画通りに分離するのを待ち、そしてロケットがついに回転し始めるまで待ち続けた。そして無人のロケットは爆発した。

スペースXは、これまでで最大かつ最強のロケットを世界一周に送り出すことを目指していた。計画通りに進んでいたら、スターシップの上段ロケットはハワイ近海の海上で飛行を終えていたはずだった。しかし、それは実現しなかった。

この打ち上げは当初月曜日に予定されていたが、ブースターバルブの詰まりによりプロジェクトが遅れた。

[関連: SpaceX の宇宙船は爆発し続けているが、それはすべてイーロン・マスクの計画の一部である]

打ち上げは2段階に分かれており、1つは以前にも打ち上げられたスターシップロケットを使用したもの。スターシップは何度も故障や爆発を繰り返したが、2021年にようやく爆発することなく着陸した。そして2つ目は、ロケットをさらに遠くまで飛ばすために新たに追加されたスーパーヘビーブースターだ。この2つのセクションが一緒に打ち上げられたのは今回が初めてだ。

スターシップの打ち上げ! pic.twitter.com/4t8mRP37Gp

— SpaceX (@SpaceX) 2023年4月20日

計画は、テキサス州南端から打ち上げられ、メキシコ湾にブースターを投下し、スターシップが大西洋、インド洋、太平洋を横断してからハワイ付近の太平洋に泳ぎ出すというものだった。

スペースXの打ち上げ場所であるテキサス州ボカチカビーチから数マイル離れた場所には、打ち上げを見守るために群衆が集まっていた。このロケットの最終目標は、人類と貨物を月、そして最終的には火星まで運ぶことだが、その目標はロケットが到達したい場所よりも遠いかもしれない。

「軌道に乗るとは言わないが、興奮は保証する。退屈ではない」とマスク氏は先月、モルガン・スタンレーの会議で語った。同氏は、軌道に乗る確率は50%と見積もった。

スターシップは「予定外の急速な解体」の後に落下。SpaceX/YouTube

スターシップとそのブースターは分離に失敗したが、スペースXはこれを成功とみなしている。「確かに回転しているように見えますが、タワーを越えた後のすべてはおまけだったということを皆さんに思い出していただきたいです」と、スペースXのアナウンサーの1人がイベント中に語った。アナウンサーがコメントしている間に機体が爆発し、歓声が上がった。アナウンサーは「スターシップ初の統合テスト飛行のエキサイティングな終わり」と付け加えた。

スターシップのスーパーヘビーブースターにはメタン燃料エンジンが33基搭載されており、理論上は宇宙船自体に250トンの積載量と100人の乗客を乗せることができる。マスク氏は、乗客を新たな目的地に送る前に、この無人ロケットを使って、自らが開発したスターリンクなどの衛星を地球の軌道に打ち上げたいと考えている。

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