日本が初の無人月面着陸で歴史を刻む

日本が初の無人月面着陸で歴史を刻む

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小型自動車サイズのスマート月着陸機(SLIM)がシオリクレーター付近に無事到着し、搭載された2台の小型ロボットを無事に切り離したことを確認した。この歴史的な偉業は日本にとって初の月面着陸となり、日本は月面に到達した5番目の国となった。しかし、JAXA関係者によると、SLIMの「ムーンスナイパー」には問題がないわけではないという。

「現時点では太陽電池は発電していないようだ」とJAXAの山川宏理事長は金曜朝の記者会見で述べた。そのため、現在はバッテリー電力で稼働しており、その持続時間は「数時間」とみられる。

「私たちは科学的成果を最大限に高めようと努力しています」と、ライブ配信の日本語から英語への翻訳によると、ヒロシ氏は続けた。

[関連: ペレグリン月面着陸船、打ち上げ成功後に「重大な燃料損失」を経験]

ミッションが成功したか失敗したかとの質問に対し、JAXAの職員は、軟着陸自体は成功とみなしており、「機器のほとんどは機能している」と説明した。技術者らは太陽電池の問題は「別の問題」とみなしており、SLIMは今も画像を含むデータを地球と送受信し続けている。

SLIMは2023年9月6日、X線望遠鏡とともに地球周回軌道に打ち上げられた。JAXAのエンジニアによる数週間の診断テストと観測の後、SLIMは9月30日にエンジンの燃焼を開始し、地球周回軌道を離れ、その後、月に向かって数日間の旅を開始した。機体は10月4日以来、月周回軌道を維持し、1月19日午前10時20分頃(東部標準時)に着陸手順を開始した。

金曜日の成果は、近年の国際的な月探査ミッションの失敗の連続を断ち切るものとなった。SLIMの軟着陸の24時間も経たないうちに、当初は月に向かう予定だったアストロボティック社のペレグリン宇宙船は、地球の大気圏への再突入時に燃え尽きた。ペレグリンは1月8日にフロリダ州ケープカナベラルから無事に打ち上げられたが、すぐに「燃料の重大な損失」に見舞われ、目的地に到達できなくなった。2023年4月には、日本のispace社のHAKUTO-Rが月周回軌道に到達したが、着陸の試み中に墜落した。

たとえSLIMの太陽電池の問題で寿命が大幅に短くなったとしても、その予定通りの精密着陸が確認されれば、日本の宇宙計画にとって大きな節目となるだろう。JAXAの代表は、SLIMが予定地点から100メートル以内に着陸したかどうかが判明するまでに約1か月かかると見積もっている。しかし、関係者は金曜日のライブ配信で、この成果についてすでに楽観的な見方を示している。

「これまでは着陸できる場所に着陸していたが、これからは着陸したい場所に着陸できる」とJAXAの代表者は語った。

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